当院の役割
熱川温泉病院の
「目指す医療」
熱川温泉病院の展開する医療の原点、理念は「私たち熱川温泉病院はさまざまな障害を克服しようとする患者さんの機能回復をめざして、この伊豆の明るく温暖な自然環境を活かし、ご家族、患者さんとともに生きる喜びを実感できる質の高い病院サービスを提供します。」であります。
当院は199床の全床療養型のリハビリテーション専門病院であり、(財)日本病院機能評価機構認定病院です。入院患者さんは伊豆地域のみならず関東一円から来院されます。一定期間の療養をこの熱川で過ごされた後、多くの方々が社会復帰し、さらにはご家族と過ごす在宅医療へ、あるいは介護医療へと進んでいっていただいています。
当院では、理念に盛り込まれた目標の実現のためにチーム医療の実践に特に力を入れており、毎週3回担当者全員参加のカンファレンスを開催しています。このカンファレンスでは、患者さんの機能回復にかかわるすべての専門領域の職員、すなわち、医師、歯科医師、看護師、PT、OT、STなどのリハビリテーションセラピスト、メディカルソーシャルワーカー、介護士、栄養士などの担当職員が、入院されるすべての患者さんについて、それぞれの療養経過を集約したチャートを作成し、これを中心に経過の検討と今後の対策などを専門的立場から意見を出し合い討論しています。結果はその都度ご家族にもお話をし、ご一緒に療養を考えるようにしています。これにより、ご家族にも安心していただき、入院療養の後の在宅療養または介護への連続的なお手伝いが進むと考えております。
熱川温泉病院の
「望む人材」とは
病院の進めているチーム医療実現のためには、多数多様な専門職のかたがたの参加が必要です。さらに、この医療サポートが患者さんの機能回復に有効に機能するためには、円滑でバランスの取れたチームづくりが重要なポイントです。
そのために、まずは患者さんを中心に考え、患者さんに優しく接することのできる方に参加していただきたく思います。また、チームの仲間と目的達成のためにお互いを尊重しながら、チームワークを大事にすることも求められます。多数の異なる専門領域のかたがたとの協同作業です。お互いの理解と情報の共有、言語の共有、同じ土俵での議論が重要です。チームの一員として報告、連絡、相談つまり報連相を大事にしていただく方を望んでいます。
そのような皆様をお迎えし、知識・技能に裏付けられた質の高い安全な環境の中で、患者さんに優しいほのぼのとした職場環境を築きたいと思っています。
熱川温泉病院の
「将来への展望」
世界でもまれな高齢社会を迎えたわが国にあって、われわれは、医療、社会福祉を通じ新しい次の日本の社会に貢献しようとしています。
熱川温泉病院はその療養型医療をより一層系統的に発展確立させるため、まず、患者さんのリハビリテーションのニーズに応じて、回復期のリハビリ、回復期を越えた維持の段階でのリハビリ、さらには介護を必要とされるかたがたへのサポートなどを、総合的に推進する予定です。これは、当院が長年培った多彩なキャリアとマンパワーを活用してこそ成しうる患者さんに優しい療養センターです。
この伊豆の明るく温暖な地域に、患者さんに選んでいただける介護施設を含めた療養センターの構築は夢であり、当院は機能分担の進んだ療養型病院としてそのような総合センターの中核になることを位置づけられているものと理解しています。
院内でのハードである療養施設とソフトである人の配置はともに患者さんや時代のニーズを十分考えて具体的に議論し組織化しつつあります。これらの夢の実現には、病院と隣接した同じ組織の介護施設との連携もますます強固になってゆくものと思います。
2006年春、次へのステップとして念願であった約2,000平方メートルの回遊型の南国情緒豊かな洋式庭園が完成しました。患者さんのみならずわれわれ職員にも優しい暖かい気候は、前向きな運動訓練と心の安らぎを与えてくれるものと期待しております。